遺言書がある場合
『遺言書を見つけたっ!』
その場合、封がしてあれば勝手に開けてはいけません!!
遺言書はただの手紙とは違って法的に重要なものですので、勝手に開けると罰則(5万円以下の過料)がありますから気をつけてくださいね。
遺言書が見つかった場合、公正証書遺言であれば必要ないのですが、自筆証書遺言や秘密証書遺言の場合【家庭裁判所での検認手続】というものをしなければなりません。
この検認手続は、偽造・変造を防止するための証拠保全手続にすぎないので、ホンモノか・・・ニセモノか・・・など、その効力を判断するものではありません。
また、遺言書で 【遺言執行者】(遺言書のとおりに事務を行う人)の指定(または指定の委託)があればいいのですが、遺言執行者の指定がない場合は手続がスムーズに進まない恐れがありますので、不安だなと感じられたら専門家に相談することをお勧めします。
さて、遺言書というのは故人の最後の意思表示ですので、基本的にその内容どおりに相続が開始され、相続人全員の合意がない限りこれを無視して遺産分割することはできません。
ただどういう内容でも有効というわけでわなく、遺留分を侵害された相続人は一定限度で相続財産を取り戻すことが可能です。
遺留分
遺留分を簡単に言うと 最低でも相続できる分 ということになります。
自分に不利で、あまりにも不公平な遺言書を書かれてしまった場合、残された家族は今後の生活の糧を失うことにもなりかねません。
遺留分とはそのような時のために法律が用意している制度なんです。
しかしこの遺留分、権利があるのは 兄弟姉妹以外の相続人 なのです。
したがって配偶者と兄弟姉妹が相続人である場合、遺留分があるのは配偶者だけなのです。
また、遺留分は直系尊属(父・母・祖母・祖父など)のみが相続人の場合は相続財産全体の3分の1、それ以外の場合は相続財産全体の2分の1となります。
たとえば・・・
| 8000万円を残して亡くなったDさんには息子のBさん・Cさんと、婚姻はしていないが一緒に暮らしているというAさんがいました。 Dさんには遺言書があり、そこには 【遺産のすべてをAに遺贈する】 と書いてありました。 |
・・・この場合、遺留分を侵害されているのはBさんとCさんであり、2人はAさんに対して遺留分を請求できます。
2人の相続分は『全体の2分の1である遺留分を、配偶者がいないので子2人で頭割りとなるため4分の1ずつ』となり、2人の実際の相続分は2000万円ずつということになります。
この権利を 遺留分減殺請求権 というんですが、これは主張して初めてその効果が発生します。
ですので、遺留分を侵害されている方は相手方に主張しなければ侵害されたままということなんです。
この権利を行使する場合、相手方には手紙でもいいですが内容証明郵便ならば証拠が残りますので確実でしょう。
あとこの権利には時効がありまして、
- 相続の開始があったこと、減殺するべき贈与または遺贈があったことを知ったときから1年間行使しないとき
- 相続開始のときから10年を経過したとき
には権利が消滅してしまいますので気をつけてください!
検認手続について
検認手続とは、相続が開始して遺言書が見つかったとき、偽造などができないように証拠を保全する手続となります。
公正証書遺言の場合は作成の時点で保全できていますので必要ありませんが、その他の場合、通常1ヶ月から1ヵ月半ほどがこの手続に必要となります。
借金がある場合 < 遺言書がある場合 > 遺産分割の前に
